神宮外苑の樹木伐採に東京都が「待った」 保全の具体策を求められた三井不動産は「真摯に受け止める」

 東京・明治神宮外苑地区の再開発を巡り、東京都は12日、事業者の三井不動産や明治神宮など4者に、神宮第2球場周辺の樹木の伐採を始める前に、伐採本数を減らすなど樹木保全の具体策を示すよう要請した。伐採は月内にも始まる可能性があるが、都が「待った」をかけた形となった。(三宅千智)

◆「伐採に着手することは容認できない」

 再開発では神宮第二球場を解体して跡地にラグビー場を建設する計画。解体工事は始まっており、事業者側は工事の支障となる樹木を伐採する予定。事業者は、今年1月告示の環境影響評価(アセスメント)評価書で「既存樹木について設計、施工の両面からの工夫により、保存または移植を検討する」としていた。

再開発が計画される外苑地区

再開発が計画される外苑地区

 要請文では「既存樹木の保全の検討結果はいまだ示されていない」と指摘。都環境局の担当者は「樹木の保全について以前から要請してきた」と述べ、具体策を示さないまま伐採に着手することは容認できないとの認識を示した。

 都による事業者への要請は2022年5月と今年4月に続き3回目となる。

 事業者の三井不動産は取材に対し、「事業者として真摯しんしに受け止めている。今後、都と協議、検討する」とコメントした。同社によると、伐採は今月以降に始める見通しだが、具体的な日程は決まっていない。

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